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覇気

最終更新日:2024-06-21

覇気(はき/Haki)は、『ONE PIECE』で描かれる世界に存在している人類 (ヒト)が潜在的に秘めている特殊な力。 ”見聞色”、”武装色”、”覇王色”の3つに分類され、主に戦闘技能として用いられる。 それらは”気配”や”気合”、”威圧”といったヒトとして当たり前の感覚と相違ないが、その感覚の存在を認識し鍛え上げることで 外界に影響を及ぼすエネルギーとして利用できる。 作中では、その力に気づくことなく一生を終える者が大半であると語られており、 この力を使いこなす”覇気使い”は すなわち世界で一握りの”強者”であるとして描かれている。

なお、見聞色武装色は すべての人物がその力を引き出せる可能性を秘めているが、 覇王色だけは生まれつき資質を持っている者だけが引き出すことができる。

基本情報

見聞色の覇気

見聞色の覇気(けんぶんしょくのはき)は、『ONE PIECE』の世界における『覇気』の種類の一つ。 相手の”気配”をより強く感じ取るための力であり、これを鍛え上げることで 視界に入らない敵の位置や数を認識したり、次の瞬間に相手が何をしようとしているのかを読み取ることができるようになる。 また作中では、この力を極めた熟達者の能力として 数秒先の未来をヴィジョンとして見ることのできる”予知能力”が示されている。

もともと『空島編』において 相手の動きを予知する”心綱 (マントラ)”という能力を使用するキャラクターが登場していたが、 覇気について初めて詳しく言及された 原作『第597話 ”3D2Y”』において、 それが『見聞色の覇気』と同様の力であり、青海の文化とは隔絶された 空島スカイピア”における独自の呼称であったことが明かされた。 また、『ウォーターセブン編』で登場していた戦闘技術”六式”について、 後に『第1017話 ”号令”』にて その一つである”鉄塊”が武装色の覇気によるものであったことが明かされ、 公式データブック『VIVRE CARD ~ONE PIECE図鑑~』においては 六式を使用する『CP9』のメンバーが 武装色に加えて見聞色も習得していたことが示されているため、 恐らく敵の攻撃を回避する”紙絵”などにおいて 見聞色の覇気が使用されていたのだと思われる。

武装色の覇気

武装色の覇気(ぶそうしょくのはき)は、『ONE PIECE』の世界における『覇気』の種類の一つ。 自身の身体や武器に特殊なエネルギーを与える技能であり、単純な身体能力とは一線を画した 攻撃力と防御力を得ることができる。作中ではこの技術を使うことに関して 武装色の覇気を”纏う (まとう)”という言葉が使われ、”シルバーズ・レイリー”は それを『見えない鎧を着るようなイメージ』と表現している。

この覇気には 単に拳や武器を強化させるだけでなく『能力者の”実体”をとらえる』という効果もあり、 また攻撃・防御についても その”纏わせ方”によって『1段階目』、『2段階目』、『3段階目』の 3つのレベルが存在することが示されている。

能力者の”実体”をとらえる (武装色の覇気)

武装色の覇気”を纏うことによって、すべての”悪魔の実”の能力者に対して 打撃や斬撃によるダメージを与えることができるようになる。 これについて”シルバーズ・レイリー”は『(能力者の体を) ”実体”としてとらえる』と表現している。 特に、体を流動する物質や現象に変化させられる”自然系”の能力者に対しては 一部の能力に存在する弱点を突くことを除き、この覇気によってしか物理的に干渉することができないため 最大のメリットとも言える。

なお、もともと『頂上戦争編』において 自然系の能力者である”クザン (青雉)”や”サカズキ (赤犬)”が 武装色の覇気を纏った攻撃で流動する体を貫かれながらも ダメージを回避している様子が描かれていたが、後に 原作『第884話 ”誰だ”』にて ”モチモチの実”の能力者である”シャーロット・カタクリ”が 熟練した”見聞色の覇気”によって敵の攻撃を読むことで 自身の身体をあらかじめ変形させて回避しているということが説明された。 そのため、あくまでのカタクリの能力は”超人系”であるが、先述したような 自然系の強者達も同じような技術を使っている可能性が高い。

1段階目『硬化』(武装色の覇気)

武装色の覇気”による攻撃・防御の”1段階目[]”として、 覇気を体や武器の”表面”に纏うことによって それらに高い”硬度”を与える技術が示されている。 主人公”モンキー・D・ルフィ”が『作中年代の狭間 (2年間)』を経て 最初に使用できるようになった武装色であり、彼は『新世界編』の序盤において これを『「武装色」硬化 (ぶそうしょく こうか)』と呼称していた。

なお、もともと『超新星編』においては 武装色の覇気を纏ったキャラクターについて外見上の違いは描かれていなかったが、 『新世界編』に入るとルフィを筆頭に 拳や武器が黒光りする”鋼 (はがね)”のような見た目に変化する描写となった。 これについて当初は、黒く変化することが 武装色のイチ技術である”硬化”のみに対する描写であるなどと解釈されていたが、 後に原作『第947話 ”クイーンの賭け”』において、 かつて『頂上戦争編』で”シルバーズ・レイリー”が 『3段階目』を使用していたシーンに対する”回想”において 彼の手が黒く変化している様子が描かれ、またルフィが 『2段階目』、『3段階目』を会得してからは 武装色を纏ったすべての体技について体が黒く変化しているため、 単に武装色を纏ったことを視覚的に分かりやすく伝えるために 『新世界編』では描写変更が行われただけだと思われる。

また、もともと『超新星編』において まだ覇気が使用できなかったルフィと仲間たちが討伐した敵の中には、 後に、実は覇気を用いて戦闘を行っていたことが明かされたキャラクターが複数存在しており、 その代表的な例として『ウォーターセブン編』で登場した『CP9』が挙げられる。 彼らが使用していた戦闘技術”六式”の一つである『鉄塊』について、 『第1017話 ”号令”』にて それが武装色の”硬化”によるものであったことが明かされ、公式データブック『VIVRE CARD ~ONE PIECE図鑑~』においては そのメンバーが武装色見聞色を習得していたことが示された。

2段階目『触れずに弾く力』(武装色の覇気)

武装色の覇気”による攻撃・防御の”2段階目[]”として、 覇気を体や武器の”外側”に大きく纏うことによって 対峙する人物や物体を”触れずに弾く”技術が示されている。 『新世界編』の序盤においては 武装色に段階があることは明示されていなかったが、 後に原作『第937話 ”おいはぎ橋の牛鬼丸”』 および『第939話 ”老いたる豹は路を忘れず”』において、 かつて『超新星編』で”戦桃丸”や ”シルバーズ・レイリー”が使用していた武装色が 主人公”モンキー・D・ルフィ”が使用するものよりも 強力なエネルギーを持っていたことが示され、ルフィは 『流桜』の概念を示した”ヒョウ五郎”の教えによって これを訓練・習得することとなった。 『1段階目』との違いが詳しく明示されたのは『第947話 ”クイーンの賭け”』においてである。 なお、実際にルフィが初めて成功させたのは 既にこの”2段階目”を超えた『3段階目』であった。

ちなみに、かつて『第519話 ”王の資質”』で ”ボア・マリーゴールド”が見せた防御技も、その描写を見る限りこの”2段階目”を使用していたのだと思われるが、 その次話『第520話 ”ゴルゴンの目”』において まだ当時覇気を使用できなかったルフィが 圧倒的に上回る筋力・身体能力のみによってその防御技を打ち破る様子が描かれている。 つまり、覇気のレベル (段階)に関わらず『武装色の覇気が使えれば肉体の力が必要ない』というわけではなく あくまでプラスアルファの要素であり、肉体と覇気の両面で他者を圧倒している者が より抜きん出た強者となることが示されている。

3段階目『内部から破壊する力』(武装色の覇気)

武装色の覇気”による攻撃・防御の”3段階目[]”として、 体や武器の”外側”に大きく纏った覇気を 対峙する人物や物体の内部にまで到達させ”内側から破壊する”技術が示されている。 『2段階目』の延長線のような技術であり、主人公”モンキー・D・ルフィ”は 先にこの”3段階目”を成功させたため分かりづらいが、 原作『第947話 ”クイーンの賭け”』における ”ヒョウ五郎”の説明により 2つの技術の間にも”段階”があることが示されている。 現に、『2段階目』を披露して見せたヒョウ五郎ルフィが成功させた技について 『おれが教えられる”流桜 (覇気)”をすでに超えている』と評している。 やがてルフィはこの”3段階目”の武装色を纏った攻撃によって 初めて”カイドウ”にダメージを与えることができた。

また、この技術には単に攻撃力を向上させる以外にも、鋼鉄のように硬い物体を 紙のように握り潰して破壊できるという効果もある。 先述した『第947話』の回想シーンによって、 かつて『頂上戦争編』で”シルバーズ・レイリー”が 拘束用の”首輪”を錠も使わず容易に外していたのは この技術によるものだったことが明かされ、ルフィもこれを習得することで 首輪や手錠を外す際に使用している。

ちなみに、実質的にこの武装色の”3段階目”より さらに上位の戦闘技術として、体や武器に”覇王色の覇気”を纏わせる力が登場している。 これについては後項『体や武器に纏わせる (覇王色の覇気)』を参照のこと。

覇王色の覇気

覇王色の覇気(はおうしょくのはき)は、『ONE PIECE』の世界における『覇気』の種類の一つ。 他者を”威圧”するための力であり、見聞色武装色と異なり、 生まれつきその資質を持っている者だけが引き出すことができる。 原作『第519話 ”王の資質”』では その才能について『選ばれた者の覇気』、『人の上に立てる”王の資質”』と語られ、 それを持つ者は”数百万人に一人”とされている。 また、これも他の覇気とは異なり、覇王色の覇気の”強度”は 本人の成長と共に上昇するものであり、意図的に鍛え上げることはできない (”シルバーズ・レイリー”曰く『使用者の気迫そのもの』)。

具体的な用途・効果としては、『敵を気絶させる』、『体や武器に纏わせる』の 2パターンが存在する。

敵を気絶させる (覇王色の覇気)

作中で最初に示された”覇王色の覇気”の用途・効果は、周囲にいる生物を”威圧”することで 手も触れずに”気絶”させる能力である。この効果は 使用者が対象者に対して”実力”で圧倒的に上回っている場合にのみ有効であるが、抜き出た実力者が この能力を発動することで 戦うまでもないほどの実力差がある群衆を数万人から数十万人の単位で一度に気絶させることができる。 なお、ここで言う”実力”は恐らく精神力 (覇気)や 身体能力などを含んだ総合的な戦闘力のことだと思われるが、具体的な定義は示されていない。

また、『前項』に記した通り 覇王色の覇気の”強度”については意図的に鍛えられないが、 ”コントロール”に関しては熟練が可能なようであり、周囲に多くの人々がいる場合でも その中から特定の人物のみを選択的に威圧できる (気絶させられる)ようになる。 主人公”モンキー・D・ルフィ”は この能力に無自覚であった頃、本人の意図していない相手を気絶させる場面が度々描かれていた。

体や武器に纏わせる (覇王色の覇気)

当初は”覇王色の覇気”について 『敵を気絶させる』能力のみが その唯一の効果であるかのように説明されていたが、後に原作『第1010話 ”覇王色”』において 実はこの覇気も”武装色の覇気”のように 自身の体や武器に”纏う (まとう)”ことが出来るということが明かされた。 要するに、敵に対する攻撃 (打撃や斬撃)を強化するために覇王色の覇気を使用することができる。 この力については、覇王色の覇気の資質を持つ者の中でも さらに一握り実力者のみが使用できるとされる。

前項『武装色の覇気』に記している通り、武装色には その”纏わせ方”によって3段階のレベルが存在しているのだが、『ワノ国編』における 多くのキャラクターによる”カイドウ”への攻撃と彼の反応を見る限り、 覇王色の覇気を纏わせた攻撃は明らかに 武装色の『3段階目』をさらに越えた威力を持つ、いわば”4段階目”のようなものとして描かれている。 また、覇王色を纏わせた攻撃は 周りから見てもハッキリ分かるほどに、まだ拳や武器が相手から大きく離れている位置から ”触れずに弾き飛ばす”という特徴を持っているため、その点も武装色の『2段階目』を 発展させたような力に見受けられる。

あくまで明言はされておらず不明な部分も多いが、そもそも 覇王色の資質を持つ者自体が”数百万人に一人”という世界で 更にそれを”纏う”ことが出来るのはその中の一握りであるということを踏まえると、 覇王色の資質を持ちつつ武装色の『3段階目』を容易に扱えるほどの実力者にしか 覇王色の覇気を纏わせることは出来ないのだと思われる。 ただし、覇王色の資質があることが示されている キャラクター”ヤマト”について、 原作『第985話 ”新鬼ヶ島計画”』 および『第986話 ”拙者の名前”』にて 武装色の『3段階目』が使用できないことが示されているものの、 『ワノ国編』におけるカイドウとの戦闘シーンにて 一見覇王色を纏っているかのような描写が見られる。あくまで確定情報はないが、もしそれが正しい場合には 先述した内容は間違いということになる。

また、『能力者の”実体”をとらえる』能力については 『第597話 ”3D2Y”』で 武装色固有のものだと説明されているため、 ”自然系”の能力者などに対して覇王色による攻撃が行われる際は 武装色も併用されているなどの可能性が考えられるが、詳細は不明である。

心綱 (マントラ)

心綱(マントラ/Mantra)は、『ONE PIECE』に登場する 空島スカイピア』における ”見聞色の覇気”に対する独自の呼称。初出は原作『第246話 ”迷いの森の神官サトリ”』。 当初『空島編』では、相手の心や行動を読むために使用される スカイピア独自の技能のような形で描かれていたが、 後に覇気について初めて詳しく言及された『第597話 ”3D2Y”』において、 それが見聞色の覇気と同様の力であったことが明かされた。 もともと、大昔から青海とは隔絶された文化が築かれている スカイピアにおいては 同一の意味合いでも青海とは別の言葉が使用されている様子が描かれていたため、 ”心綱”についてもそのようなものの一つだったということになる。

なお、スカイピアにおいても ”心綱 (=見聞色の覇気)”を使用できるのは一握りの実力者のみである。 特に、その代表格である人物”エネル”は 彼の持つ”ゴロゴロの実”の能力との併用によって スカイピア全土にいる人々の”声”を常に聴き取ることが出来るという 驚異的な力を持っていた。

流桜

流桜 (りゅうおう/Ryuo)は、『ONE PIECE』に登場する国家『ワノ国』における ”覇気”に対する独自の呼称。言葉の初出は原作『第940話 ”反逆の火種”』。 厳密には、体や武器に”纏う (まとう)”ことができる覇気、つまり ”武装色”と”覇王色”を 攻撃に使用する場合のエネルギー全般を指す概念である。

そもそも、外界から文化が隔絶されている鎖国国家のワノ国においては 覇気という言葉・概念自体が存在していない。 加えて、原作『第939話 ”老いたる豹は路を忘れず”』において ”ヒョウ五郎”は流桜について『体を伝い刀身に纏わせる”力”』と説明している。 このことから、ワノ国の住人たちは 自身らが流桜と呼称するエネルギーに対して 覇気で言うところの分類 (色)のようなものを認識していないと考えられる。 前項『武装色の覇気』および『覇王色の覇気』で解説している通り、 体や武器に覇気を纏わせた時の攻撃力という点においては 単純に覇王色武装色に対して上位の威力を持っていることが示されているため、 ”光月おでん”のように 刀剣覇王色を纏わせて戦っていた人物についても ワノ国においては単に突出した流桜を扱う剣士であると 認識されるに留まっていたとしても不思議ではない。 ”見聞色の覇気”については それに相当する力がワノ国で使用されているのかは不明だが、 先述した定義を踏まえると、少なくともそのような力は流桜の一つとしては認識されていないことが分かる。

一方で、初めてこの流桜という概念が登場するのと同時に ヒョウ五郎の教えによって主人公”モンキー・D・ルフィ”が 武装色の『2段階目』と『3段階目』を習得するという ストーリーが描かれていることから、メタフィクション的 (読者・視聴者目線)には 『2段階目』以上の武装色の覇気を指す意味合いで この”流桜”という言葉が使われることがある。特にテレビアニメ版においては、 恐らく視聴者に分かりやすく伝えるという意図で『第936話 会得せよ ワノ国の覇気・流桜!』の タイトルのように差別化が行われている。 しかし、原作『第947話 ”クイーンの賭け”』において ヒョウ五郎は『2段階目』以上の武装色について 『外に大きくまとう「流桜」』という言い方をしているため、外側に纏って使わない場合(覇気で言う『1段階目』)にも 流桜という概念が適用されることが分かる。

また、先述した原作『第939話』おいて ヒョウ五郎は、刀身に流桜を纏わせることについて 『良い刀は斬りたい時に鉄をも斬り 斬りたくない時は紙すら斬れぬ』とも語っている。 これはかつて『アラバスタ編』内の 『第194話 ”鉄を斬る”』および 『第195話 ”Mr.武士道”』において ”ロロノア・ゾロ”が鉄を斬る能力を得た時に思い出した ”コウシロウ”の教えとほぼ同じ言葉である (後にコウシロウワノ国の侍の子孫であることが明かされている)。 そのため、『ワノ国編』において ゾロが自身の刀剣覇王色の覇気を纏わせる展開については一見 前触れのない急激な成長、もしくは『閻魔』による効果のように見受けられるが、 実際のところはルフィに先んじて 『超新星編』の頃から すでに覇気を身に付け始めていたという可能性も考えられる。

参考・脚注

武装色の呼び分けに関する備考


本ページにおける”武装色の覇気”の 『1段階目』、『2段階目』、『3段階目』という呼び分けは 便宜上使用しているものであり、公式の呼称ではない。